続・組み込み手法の比較

組込みソフトウェア開発のための構造化モデリング 要求定義/分析/設計からソースコード作成までソフトウェア開発上流工程の基本を構造化手法に学ぶ』に触発されて調べている組み込み系のオブジェクト・モデリングであるけれど、基本的にはUPの延長線上にあることが分かった。つまり、企業システム系のOOA/Dとカリキュラムを統合することは技術的には可能であると思われる。
ただし、ステートマシーン図やタイミング図など、動的モデルを精密に記述することになるので、企業システム系では上級技術となるこれらの技術を初級で取り上げなければならない点が大きな違いである。
また、設計以降に並行処理を実行する実体の確定と物理リソースのアロケーションモデリングを行わなければならず、この目的でTaskというモデル要素を導入することが世間相場となっているようである。このTaskはUMLにはない独自のモデル要素である。

調査した以下のすべてでTaskが導入されており、基本的には同様の手法でモデリングをしていると思われる。

この中で基本となるのは、

Real-Time UML: Developing Efficient Objects for Embedded Systems (2nd Edition) (Addison-wesley Object Technology Series)

Real-Time UML: Developing Efficient Objects for Embedded Systems (2nd Edition) (Addison-wesley Object Technology Series)

翻訳:『リアルタイムUML―オブジェクト指向による組込みシステム開発入門 (Object Oriented Selection)

である。(ただし、調査した第2版は最新ではない。第3版は取り寄せ中)
時期的に見ても、(第1版も含めた)この本の提案が業界での標準となっているようである。
ただし、OMGで、プロファイルの定義などはされていないようなので、オブジェクト業界全体でオーソライズされているという感じでもない。ボクの知らない団体で何か提案している可能性は高い。

Doing Hard Time: Developing Real-Time Systems with UML, Objects, Frameworks, and Patterns (Addison-wesley Object Technology Series)

Doing Hard Time: Developing Real-Time Systems with UML, Objects, Frameworks, and Patterns (Addison-wesley Object Technology Series)

は、前出の『Real-Time UML: Developing Efficient Objects for Embedded Systems (2nd Edition) (Addison-wesley Object Technology Series)』と同一著者のもので、本書で提案した手法の入門書が『Real-Time UML: Developing Efficient Objects for Embedded Systems (2nd Edition) (Addison-wesley Object Technology Series)』という位置付けになっている。

以下2冊は詳細比較したわけではないけれど、基本的には上記の本を下敷きにしていると思われる。いずれ、興味が出て来たら詳細な相違点を調べてみたい。

組み込みUML―eUMLによるオブジェクト指向組み込みシステム開発 (OOP Foundations)

組み込みUML―eUMLによるオブジェクト指向組み込みシステム開発 (OOP Foundations)

Designing Concurrent, Distributed, and Real-Time Applications with UML (Addison-Wesley Object Technology Series)

Designing Concurrent, Distributed, and Real-Time Applications with UML (Addison-Wesley Object Technology Series)